「僕の子どもの頃は努力と辛抱、根性で里山を維持していたから、人間と自然は一体であることは感覚的にわかっていた」(撮影:本社◎奥西義和)

今の子が嫌がる自分の延長

2022年に、講談社から絵本『「じぶん」のはなし』(絵・よこやまかんた)を出しました。

みんなのからだを大きくするための材料は、田んぼや畑、海や山でとれた植物や動物だと伝え、こう書きました。だから、「たんぼも、じぶん」「はたけも、じぶん」……。「じぶんは しぜんで できている。そうでしょ?」

でも、今の若い人はそう思っていない。田んぼ? 俺とは関係ねえ、と思っている。それどころか自分の吐いたつばを汚いと思い、うんこも今の子は汚いと嫌がる。どっちも身体の中にあったもので自分の延長です。それを汚いと思うのは、自分の延長である死体を汚らわしいと思うのと同じです。