大名は大企業の経営者に近い存在
彼ら個人の心情として、秀吉さまには可愛がっていただいた、秀頼ぎみの御ために働きたい、というような「気持ち」はもちろんあったでしょう。
でも、彼らは大名である以上、一人の武士というより、大企業の経営者にも近い存在なのです。
多くの社員、社員の家族。その生活に責任を持たねばならない。そのためには文化の香りなどなにもしない江戸に赴き、ときに下げたくもない頭を徳川家に対して下げねばならない…。
そうした現実を考慮したときに、目に見えない権威よりも、数値化が可能な権力を、考察の根底に置くべきだと考えるのです。