太田垣先生「月日が流れると、家族構成も変わってきます」(写真提供:Photo AC)
厚生労働省の発表によると、成年後見制度の利用者数は2022年末時点で約24.5万人とのこと。また、この利用者数は年々増加の傾向にあるようです。そのようななか「家族がいても『1億総おひとりさま時代』に生きていることを認識していますか?」と問いかけるのはOAG司法書士法人 代表司法書士の太田垣章子先生。その太田垣先生いわく「一戸建てを購入したり建てたりする際、将来的に夫婦ふたり、もしくはひとりで住むことを想定する人はいるでしょうか?」とのことですが――。

生活スペースが最小限になるなどいろいろなことが面倒になりゴミも溜めがちに

一戸建てを購入したり建てたりする際、将来的に夫婦ふたり、もしくはひとりで住むことを想定する人はいるでしょうか?

基本は今、家族で住むために一戸建てを選ぶ人が大半だと思います。

ところが月日が流れると、家族構成も変わってきます。そうなると必然的に、使わない部屋も増えてきます

よくあるのが、高齢になり膝が痛くなって、寝る部屋を1階に移したら、2階には何年も上がっていないという話。1階にあるキッチンやトイレ、バスルームといった設備が生きるのに必要なものなので、それが揃っているエリアだけで生活が成り立つというのです。

特に男性にその傾向が強く、広い一戸建てであっても、結局のところ水回りと寝るスペースだけで過ごしている、私もそんなケースをたくさん見てきました。