再びがんセンターへ

翌30日、カラリとした五月晴れ。

午前の早いうちに、瑞希に伴われて再びがんセンターへ。

この日は、これまで受けた放射線治療と4日前の化学療法の結果が知らされることになっていました。

今さら何ができるわけでもないのですが、やはりドキドキする……! 期待と不安が交錯するなか、ひたすら電光掲示板に僕の整理番号が表示されるのを待ちます。

午後に用事が入っていた瑞希(次女)は、一足先に帰ることになりました。この子がいてくれて、どんなに助かったことか。

この日は、これまで受けた放射線治療と4日前の化学療法の結果が知らされることになっていました(写真提供:Photo AC)

「じゃあね、お父さん。何かあったら連絡してね」

セミロングの髪をなびかせて去っていく後ろ姿を、いつまでも見送りました。

頭上の電光掲示板が僕の番号を告げ、こわごわと診察室に入ります。

今日もにこやかに出迎えてくれた主治医の牛尾先生は、

「小倉さん、放射線や抗がん剤の副作用はいかがですか? つらくないですか?」

と、真っ先に気遣ってくれました。

「おかげさまで、どちらもまったく大丈夫なんです」

「それはよかった! でも、ご無理なさらないでくださいね」

顔色や体調を鋭く観察しつつも、できるだけこちらの緊張をほどこうとされているのでしょう。先生の明るさにつられて、自然と笑みがこぼれます。

そんな僕の様子を見て取った先生は、本題に入りました。