「地域包括支援センター」は、市町村が設置している機関で、地域の高齢者の相談や介護の予防支援などを行っています。厚生労働省の発表によると、2022年時点で全国5,404ヵ所(支所を除く)に設置されているそう。そのようななか「介護を助けてくれるものが、あなたの周りに実はたくさんあります」と語るのは、看護師、看護・介護ジャーナリストの坪田康佑さん。その坪田さん、「介護する側の無理がたたり、健康を崩してしまうと、元も子もありません」とも言っていて――。
老老介護をラクにしてくれる4つのポイント
老老介護における苦労をできるだけ減らすには、どんなことに留意すればいいのでしょうか。
もちろん要介護度や生活を取り巻く状況などには個人差がありますので、一概には言えないものの、私は4つのポイントがあると考えています。
1つ目は、お互いを知ることです。
介護する側と介護される側は、刑事ドラマやアクション映画に登場するような「バディ(相棒)」の関係といえます。
介護というこれまでの人生で経験のない局面をともに歩んでいくのですから、お互いを知り、尊重し合うことが大切です。
どんな介助をしていこうか?
どんなことをされると嫌?
やってみたいこと、会いたい人は?
何をやっているときが楽しい?
長年連れ添った夫婦や家族であっても、あらためて質問し合うと、意外な一面に気づくことがあるかもしれません。
それぞれの思いを尊重し、それぞれにとってよりよい介護のあり方を考えることが、少しでも負担をやわらげることにつながるはずです。
また、お互いを知るという面では、お互いの健康状態を共有することがとても大切です。
介護される側の健康状態については、普段から気をつけていることでしょう。介護する側についてはいかがですか? 疎(おろそ)かになっていませんか?
介護する側の無理がたたり、健康を崩してしまうと、元も子もありません。
健康診断を定期的に受診して報告し合ったり、疲労を感じたなら相手に率直に伝えて配慮し合ったりすることが、体力を維持するうえで大切になります。