関節の負担を減らしたランニングフォーム

最後に、関節への負担を減らす、おすすめのランニングフォームを紹介しましょう。

走り方にもいろいろなスタイルがありますが、ここでは膝などへの負担が小さい「ちょこまか走り」をおすすめします。

谷本先生オススメのちょこまか走り。足は大きく踏み出すのではなく、足裏全体での接地を意識。ピッチはなるべく上げる。(イラスト:イシダマサコ)

ちょこまか走りとは、足を遠く前に出さずに自分の近くにつくようにした走り方。ウォーキングの場合は大股で歩くことが推奨されますが、ジョギングでは大股でストライドを延ばすと着地の衝撃が強くなりすぎてしまうのです。

「カカトから接地」しようとすると自然と足が強く前に出ますので、「足の裏全体で接地」するように意識します。足を大きく出さない分ストライドが減りますので、その分ピッチを上げるようにしましょう。

実はマラソンの金メダリスト、Qちゃんこと高橋尚子選手も、足をあまり前に振り出さず、足の裏全体で接地するちょこまか走りをしていました。このような走り方は接地でのブレーキがかかりにくいため、走行のエネルギー効率がよくなると考えられ、近年では高橋選手のようなちょこまか走りの選手が増えています。

マラソン初級者ほどカカト接地が多く、上級者になるほど足裏全体での着地やつま先での接地(これはかなり難しいです)が多いという研究データもあります。

慣れるまでは難しいかもしれませんが、膝、足首等への負担が小さく、効率のよさからタイムが上がる可能性もあります。一度試されることをおすすめします。

※本稿は、『学術的に「正しい」若い体のつくり方』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。


学術的に「正しい」若い体のつくり方』(著;谷本道哉/中公新書ラクレ)

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