ストレスの素
妻との死別をやっとの思いで乗り越え、素敵な女性と巡り合い、再婚を決めたのに「財産目当てに違いない!」と猛反対され、泣く泣く諦める人も少なくありません。
よしんば、その相手が財産目当てだったとしても、日本の法律では、死んでからでないと、財産を相続できませんから。実際、老後の面倒を看てくれるのに。
こんなふうに、自分のやりたいことを邪魔してくるのが子どもや家族なら、それは足かせでしかありません。
家族や子どもとの関係も一つの人間関係です。他人ではないぶん、甘えが入ります。実はそこに、ストレスの素が隠れているのです。
いつまで経っても「自分には責任があるんだ」と考える必要はありません。責任は十分果たしてきました。
家族や子どものほうも、本当はもうかかわって欲しくないと思っている可能性さえあります。もう、それぞれ違う道を歩んでいるのだと割り切って、ある程度距離を置いたほうがいいのです。
高齢に近づくということは、背負い込んできたものから一つずつ自由になることです。代わりに、自分で毎日の暮らしを楽しむ知恵や工夫が必要になってきます。
もうノルマの連続の人生ではないのですから、慌てず急がず、好きなように暮らしていきましょう。
※本稿は、『死ぬまでひとり暮らし ─ 死ぬときに後悔しないために読む本』(興陽館)の一部を再編集したものです。
『死ぬまでひとり暮らし ─ 死ぬときに後悔しないために読む本』(著:和田秀樹/興陽館)
お金は自分で使い切れ。
恋愛やセックスは好きなだけやればいい。
毎日ラーメン食べて死んだら本望。
このまま自分の人生が終わっていいのか。
みんなどうせ死ぬんだから、人生を最後まで楽しみつくす。
あなたの後半人生を前向きに生きる本。