観客参加型の「スーパー4KマジックショーMr.マリック超魔術団」で親子初共演を果たす、父のMr.マリックさん(右)と長女で歌手のLUNAさん(左)(撮影◎本社・奥西義和 )
「キテます」「ハンドパワー」などお馴染みのセリフで知られるMr.マリックさんは1990年代からマジシャンとして一世を風靡しました。今年3月には観客参加型の「スーパー4KマジックショーMr.マリック超魔術団」を開催。そのライブの席では、長女で歌手のLUNAさんと初の親子共演を果たします。LUNAさんの反抗期には10年も口をきかなかったという二人。和解の秘訣や今、親子としてお互いに思うところを伺いました。
(構成=岡宗真由子 撮影=本社・奥西義和)

ステージ上での親子初共演

Mr.マリック(父) :テレビ一緒に出ることはあったけれど、ステージの上では初共演になるね。

LUNA(娘) :今回のショーには歌手“LUNA”ではなく、 ドラァグクイーントリオの“D3” (編集部注:LUNA、サマンサ・アナンサ、枝豆順子の3人で構成されるパフォーマンスグループ)として出演します。自分が超魔術ライブにオファーされることを考えていなかったし、まさか“ドラァグクイーン”のほうにお呼びがかかるなんて思ってもみなかった。

父 :女性なのに、普通は男性が演じる“ドラァグクイーン”の世界によく飛び込んだな、と感心していますよ。

娘 :私も最初はちょっと不安で、いろんな先人の方にお伺いを立てました。「私なんかが入っていいの?」って。

父 :そうしたら?

娘 :「自由だよ、やりたければやればいい」って言われて。ただ、いざ本気でやってみると、元々男性のドラァグクイーンは骨格が角張ったところにメイクを入れていくから顔は立体的になるし、身体も大きいし、舞台に立つと迫力が違うってことがわかった。丸い顔にメイクを重ねてもただ濃くなっていくというか、彼らの真似をすることは一筋縄ではいかない。

父 :LUNAは昔もヤマンバメイクしてたから、僕からすると「またメイク濃くなったな」って感じだけどね。

娘 :いやいや、ドラァグクイーンにはドラァグクイーンの道があるんですよ。彼女たちは、メイクも上手いし、みんなとにかく弁が立ちます。

父 :その点は僕もすごいと思ったよね。僕がたまたま招かれた地方の青年会議所の卒業式イベントがあって、LUNAたち“D3”もそこに呼ばれていたから、僕はLUNAの舞台を生で初めて観た。お堅い席に、ド派手な格好で出てきて、その場をめちゃくちゃ沸かせて、あの時は本当に驚いたし、感心した。それ以来いつか共演したいと思っていて、今回こういう機会に恵まれたんだよ。

「LUNAの舞台を生で初めて観たときは、ド派手な格好で出てきて、その場をめちゃくちゃ沸かせて、あの時は本当に驚いた」と話す父のMr.マリックさん