毎日キャンセルと予約を繰り返して

海でのアクティビティや火山を見に行くなどの動きのあるツアーは無理なので
フラダンスを見たりファイアーショーなどを手配したのだが
ファイアーショーを見終わったあたりで義母のご機嫌が悪い。
幼稚園児のようなしかめっ面で
黙りこくったまま一言も発しないので心配してどうしたのか聞くと
「怖かった」
と言う。
こんな怖いものを見せるとは何事か、ということでお怒りのご様子である。
うるせえ知るか。

すごいめんどくさいので、すぐにネイルサロンの予約を入れ
受付のおねーさんにものすごい可愛い爪にしてくれとオーダーしてやった。
すると2時間後ニッコニコで現れた。ちょろいもんである。

しかし全日このような調子なので、やっととった休みもフルスロットルである。
夜のうちにコンシェルジュと相談して時間を調整して仮予約してもらい
朝食で今日はこんなところに行こうと思うけどどうですか?と聞けば
「いや。疲れそう」「怖い」
などの理由でNGが出る。
いや、サンセットクルーズってそんなアクティブじゃないのよ?
パラグライダー乗ったりしないのよ?
みたいな説明を小一時間して了承をもらう。

ヒイヒイいいながら毎日キャンセルと予約を繰り返してやっと最後の日になった。

夜はワイキキの古めのホテルの上の階にあるバーラウンジを予約してあった。
宿泊していたホテルのコンシェルジュの一押しだっただけに大変眺めが良く
席も特等席だったために正面に見えるダイヤモンドヘッドが夕陽を浴びて輝いていた。
美しい夕暮れの空に私も目を奪われていたが、ふと横を見ると義母と叔母が涙を流していた。

こんないいところに連れてきてくれてありがとう、と
2人とも泣いている。

夕食の間中繰り返し繰り返し楽しかった、ありがとう、本当にいい思い出になったと
感謝してくれて毎日大変だったけどいっぺんに疲れが吹き飛んだのを覚えている。
私自身もなんだかんだで楽しかったし最後の最後で自分も感動して泣いた。

だが家に帰ってから監督にかなり文句を言ったのも覚えている。嬉しかったのと大変だったのは別の話である。