昨夏、腰痛の悪化から、3週間近くベッドの上での生活を余儀なくされた女優の大場久美子さん。夫や同居する義理の両親のサポートを受けながら、不自由なく動ける状態まで回復しました。再発の予防や、将来寝たきりにならないためにできることを、リハビリテーション医療の第一人者である安保雅博先生に聞きます(撮影:玉置順子(t.cube) 構成:内山靖子)
椎間板の炎症で20日間寝たきりに
大場 今日は、リハビリの専門家でいらっしゃる安保先生に、いくつになっても元気に動ける体を保つ方法を教えていただけると、とても楽しみにしてきました。実は私、昨年の7月に、腰椎の椎間板が炎症を起こして、約20日間、ほぼ寝たきりになってしまったんですよ。
安保 それは大変でしたね。どういう状況だったのですか?
大場 発症する3ヵ月くらい前から、腰に違和感があったんです。女優業の傍らセラピストの仕事もしているのですが、高さ調整できないベッドしかないお部屋で施術するときは、やむをえず前かがみになってしまうことが多くて。
安保 無理な姿勢を続けていたために、腰に負担がかかってしまったのですね。
大場 それであるとき、トイレ掃除をしようとしゃがんだら突然、腰に激痛が走り、しだいに動けなくなってしまって。
安保 腰椎は5個の骨が連なっており、それぞれの骨をつなげるクッションの役割をしているのが椎間板なんです。ただ、年齢とともに椎間板も弱くなってきますから、過剰な負荷がかかると炎症を起こしてしまう。そのせいで激痛が起こり、動けなくなってしまったのでしょう。
大場 救急車で病院に運んでもらったのですが、1日半入院しただけで、とくに何の治療も受けずに帰ってきました。