ウソも方便

こうした場合、私はこんな言い方をおすすめしています。

「ねえ、最近、私、物忘れがひどい気がしてるの。一人で検査に行くのは不安だから、あなた、一緒に病院についてきてくれない?」

と、まるで自分自身に物忘れがあるように話し、警戒されないように病院への同行をうながすのです。

「ウソも方便」とはまさにこのこと。

お芝居をする感覚で、むしろ楽しんでしまいましょう。

事前に病院に連絡を入れておけば、そこは相手もプロ、心得たものです。

奥さんのニセの検査を終えたあとで、「せっかくだから、ご主人も一緒に検査をしてみましょうか」と、事前に打ち合わせたストーリーどおりにうまく運んでくれるでしょう(もちろん、ご本人には絶対に秘密ですよ)。

もし本人に自覚があれば、「そうか? そういえばオレも、物忘れがないことはないけどな」などと言って、ついでに自分も検査を受けてみようという流れになることもあります。