運動不足はもはや「国民病」
いまや運動不足は極めて深刻な問題となっています。見た目はもちろんのこと、健康面でのリスクは計り知れません。
たとえば、糖尿病の場合では、予備軍(可能性を否定できない人)も含めた患者数が90年代と比べてなんと1・5倍近くにまで増えています(図2)。また、腰痛や肩コリは昔からある不調ですが、
これらの症状を訴える人も近年、増加しています。ここにも現代人の運動不足が大きく影響しているといわれています。
8割の人に運動習慣がなく、しかも日常の活動量も減っている。そしてそれがいろいろな病気の発症と関係している。これはもう、「運動不足病」という一種の国民病であるといえるでしょう。
なお、運動不足が深刻な問題となっているのは日本だけでのことではないようです。
世界の全死亡のうちの9・4%が身体活動不足(Inactive)、つまり運動不足が原因であるという報告が近年なされました(図3)。
そして、この9%という数字は喫煙が原因の死亡者数に匹敵するというから驚きです。こうした危機的な状況をこの研究報告では「運動不足病は世界的に大流行している《パンデミック》状態である」と表現しています。
ちなみにこの9・4%という数字、日本人においては16%とさらに跳ね上がります。
運動不足の弊害は、体形がだらしなくカッコ悪くなる、ということだけではないのです。運動不足は自分で解決できます。これはどうにかしなければいけませんね。