「変わりたい」という気持ちも大切
一方で「変わりたい」という気持ちも、もちろん大切です。
今がうまくいっていなかったり、不足していると感じる部分があって、変わることでうまくいくようになるのならうれしいことですよね。
もしも今、ちょっとだけでも変わりたいな、前に進みたいと思うなら……やっぱり「今の自分」をめちゃくちゃ大切にしてください。
失敗したり、うまくいかないことがあっても、「自分が自分のいちばんの味方でいてほしい」って思います。
自分の心も体もケアして、いたわって、大切にしてあげてほしいのです。
そのうえで、心身ともに整ってフラットな状況になったら、「うまくいかない自分」や「うまくいくためには何が大切か」に向き合ってみればいいのではないでしょうか。
そんなときに、自然と無理なく変わっていけたりするものですよ。
実は、こんなことを話す僕自身にも、覚えがあるのです。
僕は幼いころに川崎病という病にかかり、その後遺症で心臓にこぶができて、激しい運動ができずにいました。小学生のときにプールに入ったり、サッカーをしたり、長距離走ができなかったのです。
そのころは、とにかく「みんなと違う」ことがイヤで、「そのままの自分」を受け入れられずに悲しい思いもしました。
けれども、「こんな自分はダメなんだ」と自己否定にならなかったのは、「できないのは『僕のせい』ではなくて、『病気のせい』なんだ」ときちんと原因と向き合ってきたからだと思います。
「なんとなく自分のせい」にせず、あせらずに原因と向き合って、「できない自分」を受け入れてきたからだと思います。
だから、別に泳げなくても浮輪を使えばいいし、そもそもやりたくもない長距離走まで他人と同じを目指さなくていい、と思える自分に出会えました。もちろん時間はかかりましたが。