(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
浅く速い呼吸によって、体に必要な空気を取り込めていない人は多いそう。心身の老化を食い止める、《良い呼吸》を手に入れる方法を伝授します(構成◎村瀬素子 イラスト◎こやまもえ)

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浅く速い呼吸は疲れや痛みを増幅させる

呼吸は、心の不調とも関連しています。不安になると呼吸が速まり、息が詰まりそうになるといった経験は皆さんもあるでしょう。感情と呼吸が連動していることは近年の研究でわかってきたことで、浅く速い呼吸はネガティブな感情を引き起こすうえ、体の疲れや痛みをより増幅させるのです。

このように感情に左右される「情動呼吸」のほか、休むことなく無意識に行われる「代謝性呼吸」、自分の意思で息を吸ったり吐いたり止めたりできる「随意呼吸」という3つの呼吸のタイプがあり、それぞれ脳の異なる部分でコントロールされています。

呼吸機能を高めるために私が提唱しているのは、「随意呼吸」を使って行う呼吸筋ストレッチ。肺のまわりの筋肉群を刺激してやわらかくほぐし、肺がスムーズに膨らんだり縮んだりできるようにするのです。

続けて行っていくことで、徐々に機能的残気量が減り、呼吸がラクになるのを実感できるはず。深くゆったりとしたリズムの“良い呼吸”を身につければ、無意識下の代謝性呼吸と情動呼吸も整い、体調や心の状態も上向いていくことでしょう。