義母の激しい抵抗

義父がふたたび倒れた2020年11月以降、私と夫は義母に免許を返納させようとやっきになっていた。

義父にも、絶対に義母に運転をさせてはいけないと言うものの、義父は私たちの目を盗んでは義母に運転をさせた。

『義父母の介護』(著:村井理子/新潮社)

近所だったらいいかと思ったというのがその理由だったが、それはケアマネまで「なんなんですか(怒)」と怒りに震えるような義父の行いで、容認することはできなかった。

結局、義父は私たちの説得に応じ、義母に車を運転させることをやめた。

しかし、とにかく大変だったのは、義母の説得だ。義母は、なにがなんでも運転免許の返納を迫る私と夫とケアマネに、容赦ない怒りをぶつけた。

「なぜですか?」「法律にそう明記されていますか? そうでなければ絶対に返納しません」と、厳しい表情で私たちを睨み付けて抵抗した。

「私は運転できます」「道に迷ったことは一度もありません」と言われれば、「そうですか……」と返すしかない私とケアマネ。

「この前、道に迷ったじゃないか!」と、実子ならではのストレートな物言いをする夫。

義母vs.夫の火花の散らし合いは延々と続いたが、状況は変わらなかった。