長徳年間-父・道隆の死と花山院誤射事件

長徳年間(995~999)。

『刀伊の入寇-平安時代、最大の対外危機』(著:関幸彦/中公新書)

隆家は17歳で権中納言となるが、2ヵ月前に父道隆が死去する。

道隆の長弟道兼が関白に就任するが疫病で死去。これに代わって道長に内覧(関白に准じる職掌で、天皇に奏上する文書に前もって目を通す地位)の宣旨が出される。

この時期、前年の夏より疫病が大流行していた。長徳2年には、伊周・隆家の花山院誤射事件で両人に左遷の宣旨が出され、中関白家が劣勢となる。

さらに長徳3年冬の奄美海賊の西海道諸国への侵攻があり、大宰府から再度の異賊乱入の件も報ぜられる。