意に沿わないことをやめる勇気も必要です

私はスタジオ運営というちょっと特殊なことをしていたわけですが、似たようなことはいろいろなところで起こっているのではないかと思います。

たとえば私の知人は、長年続けてきたお稽古ごとをやめたいけれども、先生に申し訳なくてやめられないといいます。

レッスンの内容が同じことの繰り返しで、進歩している感じがしないというのがやめたい理由。その話を聞いて、時間もお金ももったいないなあと思ってしまいました。

がんを経験して以来、切実に感じているのが「時間の大切さ」です。

私はまだまだ生きる気満々ですが、いつか必ず終わるときがきます。人生に「絶対」などということはないといわれますが、人間はいつか絶対に死ぬ生き物。いつか必ず死を迎えるのです。

限りのある時間だからこそ、すべての時間を有意義に使い切っていきたい。

だからこそ私は、必要のない我慢は、できるだけしないようにしています。

「ごめんなさい。やめさせてください」と言うのは、ちょっと勇気がいることですが、ほんの一瞬のことです。

我慢して自分の気持ちにウソをつくよりも、一瞬の勇気を選ぶことで気がかりが一つ減るのなら、そのほうがいいと思います。

 

※本稿は、『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」 がんを乗り越えてわかった本当の幸せ』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

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71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」 がんを乗り越えてわかった本当の幸せ』(著:ソネジュンコ/ダイヤモンド社)

お金持ちの家に育つも、49歳で住む家をなくし、ついには預金通帳の残高がほぼ0円に。

それまでとはうって変わって赤貧生活に陥り、身一つからの再出発で編み出した「毎朝起きるのが楽しくなる生活」

老後に漠然とした不安を抱いている人、人生ここから先は尻すぼみのように感じている人、不満はないけれども、これといって楽しいこともないと感じている人が、まだ人生はこれから、楽しみは日常にたくさんあるということを知って、人生を好転させるきっかけになる1冊です!