厚生労働省が実施した「令和4年 介護サービス施設・事業所調査」によると、介護に従事する職員数は年々増加しており、令和4年度は215.4万人だったそうです。そのようななか「女優の仕事と介護の仕事は似ている」と話すのは、芸能活動のかたわら、介護福祉士や准看護師として現場で活躍する北原佐和子さん。今回は、北原さんの著書『ケアマネ女優の実践ノート』から、北原さんが介護の現場で経験したエピソードを一部ご紹介します。
お湯に浸かると「本音がポロリ」興味を抱くきっかけになった、入浴介助
最初に携わったのは、民家を改装した宅老所と呼ばれる介護施設でした。
そこでは6名の高齢者が生活されていて、認知症の方もいらっしゃいました。自宅からデイサービスに通ってくる方々もおられました。
当時は何もかもが初めての経験。不安で胸がいっぱいです。
そんな私ですから、当たり障りのない掃除や洗濯を優先していて……。
入浴介助や夜勤といった大変な仕事からは逃げ回っていました。
ところが、あるときから、入浴介助が楽しみになったのです!