101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが綴った、毎日の小さな喜びを大切に、前向きに悔いの残らない時間を過ごす生き方。エッセイ集『101歳。ひとり暮らしの心得』(中央公論新社) から幸せな暮らし方の秘訣を紹介します。
<生きていることが楽しくなる秘訣>
歳を重ねた分「いい思い出が増えていく」と考える
私は、イヤなことは忘れるかわりに、いい思い出や楽しい思い出は大事にしてきました。
たとえどんなにささやかなことであっても、うれしいこと、幸せだなと感じた瞬間の気持ちは、忘れないようにエッセイなどで書くようにもしてきました。
すると年齢を重ねれば重ねるほど、いい思い出の量だけがどんどん増えていきます。だから私は今も、毎日が楽しいのです。
身体が動かなくなっても、体調が悪くても、いい思い出と、訪れてくれる友人、支えてくれる身内や知人がいたら、前向きな気持ちでいられます。私はなんと幸せなんだろうと思います。