総務省が公表した資料「統計からみた我が国の高齢者」によると、2024年の日本の総人口に占める65歳以上の割合は、200の国と地域の中で最も高いそうです。依然として高齢化が進むなか、精神科医・和田秀樹先生によると、「女性はむしろ年を取ってから意欲的になったり、人付き合いが盛んになったりする」とのこと。そこで今回は、78歳で女優や歌手として活躍する中尾ミエさんとの共著『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』から一部を、お二人の対談形式でお届けします。
自分が築いた財産は遺さず自分で使いきる
和田:親が子どもに財産を遺さなきゃいけないというのはナンセンスな考え方ですね。昔と何が違うかと言えば、親が亡くなる頃には、子どもはもう60代でしょう。家のローンは返し終わって、子どもの教育も終えているような人に、なんでお金を遺さないといけないのかと思いますよ。
中尾:自分は自分で稼いでここまで来たのですものね。
和田:私の知人で、女性なんですがお金持ちで、20歳くらい若い男性と再婚したんです。それで、息子がもらえるはずだった財産がもらえなくなったとトラブルになったそうです。いずれにしても、私はその女性のほうが立派だと思います。
男性でも女性でもどちらでもいいけれども、再婚しようとすると子どもが反対するんですよね。なぜかというと財産が減るから。その財産だって、自分が一生懸命働いて築いたものですよね。それなのに自分が幸せになるのをその財産のために邪魔されるわけですよ。私が見る限り、子どもに反対されて再婚を諦める人が多いですね。