101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが綴った、毎日の小さな喜びを大切に、前向きに悔いの残らない時間を過ごす生き方。エッセイ集『101歳。ひとり暮らしの心得』(中央公論新社) から幸せな暮らし方の秘訣を紹介します。
<生きていることが楽しくなる秘訣>
明るく生きるには欲張らないことが大切
しかめっ面で過ごしても人生、笑って過ごしても人生。
だったら、笑って過ごしたほうがいい。私はずっと、そう思って生きてきました。
あれこれ悩むのと、明るく生きるのと、どちらが幸せになれるのか。言いかえると、どちらが人生にとって得か。そう考えて、私は自分にとって得なほうを選んだのです。
そして、「明るく前向きに生きよう」と自分に言い聞かせ、自分でそういうふうに仕向けてきました。
明るく生きるには、欲張らないことです。
足ることを知れば、そうそうつらくはなりません。私は、何もいらないと思って生きてきました。そして、日々の暮らしのなかでどうしたら自分を楽しませられるかを、考えてきました。
おいしいものを食べる。日々の暮らしのなかで小さな美しさを見つける。
そんなささやかなことが、自分を楽しませ、生きる喜びを与えてくれました。