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総務省統計局が令和6年9月に公開した「統計からみた我が国の高齢者」によると、65歳以上の人口は3625万人と過去最多だったそう。高齢化が進むなか、92歳の評論家・樋口恵子さんと88歳の作家・下重暁子さんは「女性は75歳を過ぎると、医療のお世話になることがぐんと増える。75歳が老いの分かれ目」と語っています。そこで今回は、お二人の共著『90前後で、女性はこう変わる』から一部を、お二人の対談形式でお届けします。

眠れないことのマイナスより、薬で眠ることを選んで40年

樋口 高齢になると、寝つきが悪くなる人も多いそうです。下重さんはいかがですか?

下重 私は昔から、寝つきが悪くて。不眠症と言ってもいいと思います。私は、たいがいのことは「まぁ、しかたないか」と受け流せるし、一晩寝さえすればイヤなことも忘れられるんです。ところが寝つくのがヘタというか――先日も2晩続けてほとんど眠れず、私の健康は、大谷翔平君と同じでよく寝ることが基本なので、まいりました!

樋口 2晩続けては、きついですね。

下重 使いものになりません。でも、睡眠導入剤は使っていません。リラックス系の神経を活性化させる、穏やかな精神安定剤を飲むようにしています。