リリー・オンコロジー・オン・キャンバス 写真部門入賞『二人で来た道、これからも』
写真部門入選『二人で来た道、これからも』熊澤 明子(くまざわ あきこ)さん
がんと告知された時の不安、がんと共に⽣きる決意、そしてがんの経験を通して変化した⽣き⽅など、⾔葉だけでは伝えきれない想いを絵画・写真・絵⼿紙で表現する「場」があります。がんサバイバーの方の思いが詰まった作品を紹介します。

“癌と生きていこう”と決心した母

母が膵癌の宣告を受けたとき、父89歳、母85歳。父はその時私たちの姉弟に「お金は惜しまん。できるだけのことをしてやってくれ。」と言ったのでした。

宣告を受け、もちろん母は頭真っ白の思考停止状態になりました。

しばらくの間ふさぎこみもしました。

が、持ち前の明るさと我慢強さで“癌と生きていこう”と決心したようでした。

父にも「あんたより一日でも長生きして、ちゃんとあんたのお世話してから死にたい」と言います。

筋力が衰えないようにとベッドでの体操や、散歩も欠かしません。

始めはシルバーカーで。今は車いすで。