超特急で聞き流されている

そんなときハッ!?と我に返って、自分に言い聞かせる。

「私が野球をやるわけじゃない。
落ち着け落ち着け、わたし」

そう。
野球をやるのは私ではないのに、
心配したってしょうがない。これから打席に入って集中しようとしている息子に、おぶさって耳元でわーわーうるさく言っているようなものなのだ。

理詰めでいろいろ言葉をかけてもたぶん二言目以降、半分以上は右から左へ超特急で聞き流されているらしい。

そうなのだ。

一言、二言以上の言葉は、パタッとフタを閉じるように息子の耳に入っていかないということに、最近ワタシは気づいてしまった!

自分で言うのもなんだが、遅い。かなぁり気づくの遅かった。なのに延々といろんな言葉を並べて、親の思いをわからせようと必死に息子におぶさって浴びせ続けていたとは。
…聞いてないとも知らずに。

では、せめて私が息子の大事な試合の前にしてあげられることは何だろう。