それには、望みに執着するエゴを手放さないと。ここで大切なのは、誰もが平等なのだという真理に気づくことです。

人にはさまざまな苦しみがあり、時には受け入れがたい試練に見舞われることもあるでしょう。でも誰の人生にも、厳しい局面は訪れる。時期がそれぞれ異なるだけで、自分の人生が特別苦しいわけではないのです。

エゴを手放すためには、幸せの本質について考えてみてもいいでしょう。「お金があればいいのに」「結婚したい」「子どもを優秀な学校に入れたい」など、いろいろな望みがありますね。

でも人が望むことの多くは、かりそめの幸せ。望みが叶えば一時的に幸福感を得られますが、もっともっと、と欲望は膨らみます。なによりその欲望には、「望み通りにならなかったらどうしよう」という不安がセットになっているのです。

持っていないものではなく、いまあるものに目を向けてみてください。誰かと比べるのではなく、自分を見つめてみてください。

生まれながらに、誰もが優れた特質をそれぞれ授けられ、生きる力を持っていることに感謝しなければ。幸せの本質とは、感謝だと私は思います。