気軽に相談できる医師を、なるべく近所で探しておく

一方、日本医師会の意識調査[注2]によると、56.9%の人が、かかりつけ医が「いる」と答えており、60~69歳で66.8%、70歳以上では81.9%と、高齢になるほどその割合は高くなっています。

その医師をかかりつけ医とする理由は65歳以上では「病気の主治医」「住まいの近所だから」「身近でなんでも相談できる」と続きます。この場合は、「往診や看取りはしてくれないけれど、頻繁に受診していて、自分の既往症や体の状態を把握し、気軽に相談にのってくれる医師」のことを指していると思われます。

さらに、同調査でかかりつけ医が「いない」と答えた人は42.3%。そのうちの15.7%は「(主治医は)いないがいるとよいと思う」と答えています。

結論としては、厳密な意味での「かかりつけ医」でなくても、気軽に相談できる医師を、なるべく自宅に近いところで探しておくのがいい、ということです。

いくら健康状態が良好でも、病気になることはあります。自信をもち過ぎず、具合が悪いのをがまんしたり、高齢だからと放置したりせず、専門医とよく相談しながら、最後は自分で、「この先どう生きるか」という決断をしてほしいと思います。

注1 四病院団体協議会:一般社団法人 日本病院会、公益社団法人 日本精神科病院協会、一般社団法人 日本医療法人協会、公益社団法人 全日本病院協会で構成。

注2 日本医師会総合政策研究機構「第8回 日本の医療に関する意識調査」2024

 

※本稿は、『老いてもヒグチ。転ばぬ先の幸せのヒント』(清流出版)の一部を再編集したものです。


老いてもヒグチ。転ばぬ先の幸せのヒント』(著:樋口恵子/清流出版)

経験、実感、調査データからひも解く、ヨタヘロ期のココロエ。

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