検診はきちんと受ける

私が胸のしこりをみつけたのは、偶然でした。浴室にある鏡に映るわが姿をみて、「左の乳房がちょっと大きい」感じがして、娘を呼んで触ってもらうと、確かにしこりがあるというのです。

思い起こせば、コロナ禍をいいわけにして、検診に行くのをさぼっていました。私の歳になれば、どんな病気になってもしかたのないこと。「もう歳に不足はない」という一種の充足感というか、あきらめがあったのです。

『老いてもヒグチ。転ばぬ先の幸せのヒント』(著:樋口恵子/清流出版)

しかし、手術をすればまた元気に生きられるとわかったいまは、声を大にして「もう歳だからといって検診をさぼらないで!」といいたいのです。高齢にあぐらをかいていたら、助かる命も助かりません。

自分の体は、責任をもって最期まで自分でケアしてあげたいものです。そのための対策の一つが、がんなどの定期検診なのです。