推し活のいいところは、本来、わがままで自己中心的であるはずの人間が、推しのために生きることで喜びを得られるというところです。そうすることで、ときめきや喜びが生まれて日々の生活に彩りが加わり、毎日を心豊かに過ごすことができます。

推し活は、誰にとっても魅力的なものですが、特に高齢者には有意義なことばかりです。例えば、足腰が以前のように動かせなくなって自由に外出することが難しくなったとしても、自宅で推しのコンサート映像を観ることで、感動やときめきの時間を持つことができます。

また、推しを応援するためのグッズを作ったり、心のこもった手紙を書いたりすることも、自分のペースで楽しめる活動です。こうした創造的な活動は、年齢に関わらず思いがけない充実感をもたらし、幸福感を高めてくれます。

できれば誰もが知っているメジャーな人よりも、マイナーな人を推したほうが、より深い幸福感を得られる傾向があるようです。自分だけの推しを見つける喜びは、他者との比較から解放され、純粋な満足感をもたらします。

もしも推し活の対象を見つけることができれば、それだけで幸福な時間が増え、普段の暮らしがイキイキとしたものになるでしょう。いつからでも、始めるのに遅すぎることはありません。大切なのは、自分が好きだと思うことを自分のペースで楽しむことです。他人と比べたり、無理をしたりする必要はありません。

自分にとって心地よい推し活のスタイルを見つけ、それを楽しむことが、真の幸福感に繋がります。

『60代から100歳以上まで 人生が楽しくなる「シニア推し活」のすすめ』書影
『60代から100歳以上まで 人生が楽しくなる「シニア推し活」のすすめ』(著:和田秀樹/KADOKAWA)