明神、権現

「神社」ではなく「明神(みょうじん)」や「権現(ごんけん)」と称している場合もあります。

【明神】

平安時代に定められた社格である「名神(みょうじん)」に対して、「明神」は祭神の神徳(しんとく)を称える尊称。「名神」は中世以降は使われなくなっていきました。

特に全国的な崇敬を得ている神には「大明神」の尊称が用いられ、神仏習合の時代の仏教的な神の称号のひとつともされています。稲荷大明神や春日大明神、神田明神など。

【権現】

仏・菩薩が生きとし生けるもの(衆生<しゅじょう>)を救うために仮の姿で現れることで、神仏習合の時代に、日本の神々を仏・菩薩の仮の姿ととらえる「本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)」から出たもの。熊野三所(くまのさんじょ)権現、山王(さんのう)権現、東照大権現など。

※本稿は、『ビジネスエリートのための 教養としての日本の神様』(あさ出版)の一部を再編集したものです。

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