英語で書かれたヒエログリフの文法書

話は戻るが、二度断られたとはいえ、私はヒエログリフを加藤先生から教わることを諦めたわけではなかった。私は諦めの悪い人間である。だからその機会を再び狙っていた。名前も顔も覚えてもらい、ほどよく良好な関係を築いたあたりでもう一度チャレンジするつもりでいたのだ。

そしてその機会は意外とすぐにやって来た。それもこれも研究会に入っていたからであろう。そしてありがたいことにリトライは成功した。ついに先生も諦めたのである。

後に大学院まで進学した先輩方からは、「どうしてお前だけが教えてもらえるんだ」と嫉妬され軽く叱責を受けた。知らんけど。そのときから大学生活がもう一段階レベルアップした。

ただ英語の文法書(写真)を読みながら学習するという形はもちろん初めての経験であったので予習は大変であった。だが、同級生も一緒に参加し出したので楽しくはあった。

ヒエログリフの文法書(写真:『考古学者だけど、発掘が出来ません。 多忙すぎる日常』より)