年齢を重ねてつまずきやすくなったり、歩幅が狭くなったりしている人は、骨盤がゆがんでいる可能性が。骨盤を正しい位置に戻すためには、お尻の筋肉を鍛えることが近道です(構成:上田恵子 撮影:村山玄子 ヘアメイク:木下 優)
骨盤のゆがみが全身の不調を招く
私は健康運動指導士・鍼灸師としてたくさんの方の体を見てきましたが、肩こり、首の痛み、腰痛、尿もれ、ひざ痛……といった不調を抱えている人は骨盤にゆがみが生じていることが多いのです。
全身の要である骨盤は、さまざまな骨が組み合わさってできているため、ゆがみやずれが生じやすい。骨盤はお尻まわりの筋肉に支えられていますが、筋力が低下すると、さらに変形してしまうのです。骨盤がゆがむと、接続している腰椎・背骨・大腿骨なども芋づる式にずれていき、冒頭に述べたような全身の不調を招いてしまいます。
骨盤が正しい位置にあるかどうかは、普段よく取る姿勢を見ればわかるのです。たとえば、だらっとした姿勢でソファに座り、テレビを見る。猫背でスマホを見る。椅子に座る際に足を組む。早足になると上半身だけが前傾してしまう。つまずきやすい……。これらのクセに思い当たる人は、骨盤がゆがんでいる可能性が大きいといえます。
もうひとつ自分で確認できる指標が、お尻の形。鏡で見たり写真に撮ったりして、自分のお尻を確認してみてください。丸みが消えてぺちゃんこだったり、垂れて太ももとの境があいまいになっていたりすれば、お尻の筋肉が減って、骨盤もゆがんでいる可能性大。目指すべきお尻の形は、しっかり筋肉があり、プリッと引きしまった卵形です。