認知症研究は社会貢献

家庭や社会の中で役割を持つことも大切です。私にとっての役割は、「認知症予防について、1人でも多くの方に知っていただくこと」「1人でも多くの高齢者が認知症にならないよう支援をしていくこと」に尽きます。

長年、鳥取県の高齢者を対象とした認知症の調査研究を行ってきたのですが、あるとき、認知症は突然発症するのではなく、経過があることに気がつきました。最初は非常に元気で健康的だったのに、翌年会うと、少しにおいがわかりにくくなっている。すると、次第に物忘れが起こるようになり、最後に認知症になるのです。こうした高齢者をたくさん見てきて、認知症は予防できるはずだと確信しました。

また、老々介護の現場も見てきましたが、皆さん、大変な苦労をされています。今後、ますます高齢社会になると考えると、認知症を発症させないことが非常に重要な社会的テーマです。

情熱をもって取り組んでいる仕事で社会貢献を。この思いが何より私自身の認知症予防になっているのだと思います。

 

※本稿は、『名医に聞く健康法』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。


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