「必ず手帳を持っていき、気になったものをスケッチしたり、道端に咲くかわいい花を摘んで手帳に挟んで押し花にしたり――」(撮影:村山玄子)
250を超える作品を生み出し、90歳になった今も児童文学作家として活躍する角野栄子さん。いつも明るい笑顔でハッピーオーラ満開の秘密を聞きました(構成:篠藤ゆり 撮影:村山玄子)

前編よりつづく

家でもどこでも手帳をそばに置いて

いろいろあるルーティンのなかでもとくに欠かせないのは、散歩です。家で仕事をしていると動かないから、運動のためでもあるけれど、心の赴くままに歩いていると小さな発見があってワクワクするの。

必ず手帳を持っていき、気になったものをスケッチしたり、道端に咲くかわいい花を摘んで手帳に挟んで押し花にしたり――。スマホに草花の種類を見分けて名前を教えてくれるアプリを入れているので、それで調べるのも楽しい。

幸いなことに家の近くに海があるから、よく夕陽を見に行きます。とくに冬は夕焼けや夕陽がすごくきれい。砂の上を歩くとけっこうな運動になるし、裸足で歩くと気持ちがいいの。

今は病後なので砂浜まで行かず、ベンチに座って海を眺めるようにして、暗くなる前に家に戻ってきます。