だったら演技の勉強をすれば映画をつくるときに役立つかもと、大学3年生のとき、岸田今日子さんや渡辺謙さんが所属していた「演劇集団円」の演劇研究所を受験しました。正直、一種の気の迷いだったのですが、なんと合格してしまったんです。

でも、そこで演技をすることにドはまりしました。人の言葉を借りて表現するのは、なんて面白いんだろうって。子どもの頃から抱いていた、何かを表現したいという思いも満たされた。

それなのに、2年間の研修期間を終えて、円の入団試験を受けたら落ちてしまって。ショックでした。だけど、俳優になることを諦めようとは少しも思いませんでしたね。食えなくても売れなくても、芝居ができればそれでいいって。

父には「会社に勤めるという道もあるぞ」と言われたような気もしますけど(笑)、はなから就職する気はゼロでした。

後編につづく

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