59歳のときに授かった愛娘

59歳のときに、寿子との間に娘を授かりました。ひたすらに可愛くて、デレデレです。5歳になった今も「だっこ」と甘えてくるし、こっちがどんなに疲れていようがバーッと走り出すので、体力的には厳しいのですが、筋トレになっています。

とはいえ油断は禁物。私は12年に一過性の虚血により、言語障害と意識障害を発症しました。舞台の本番中に、完璧に覚えていたセリフが出てこなくなってしまった。楽屋に戻り台本を開くと、初めて見るような感覚に襲われて……。

一晩様子をみたところ、朝にはセリフが戻っていました。そこで共演者に「大丈夫そうだ」とメールを送ろうとしたら、文字変換の仕方がわからない。これはおかしいと病院へ行ったのです。

CTやMRIなどの検査の結果、異状なしと診断されました。医師の見立てでは、「激高してしばらく黙る」という演技を繰り返していたことで、血圧が急激に上下したのが原因だろうと。血圧が下がったときに、脱水でドロドロになった血液が脳に行かず、部分的に機能を失ったのです。幸い、時間とともに元に戻りましたが、以来、食事に気をつけるようになりました。

家族との時間を大切にし、芝居にも全力で取り組み、存分に音楽活動もしたいという欲張りな人生ですが、目下の悩みは時間が足りないこと。でも家にいるときには料理や食器洗いをするし、娘をお風呂に入れて寝かしつけたりもします。

仕事も家事も夫婦助け合いで余裕ができれば、音楽をする時間も生まれる。バランスのいい人生を生きるためには工夫や努力が必要ですが、大変なことも含めて楽しい。実に幸せだな~と感じる、今日この頃です。