目まぐるしく変化する現代、心穏やかに日常を送ることが難しくなっているという方もいるのではないでしょうか。そんなとき、学校や施設へ宇宙講座を届ける活動をしている「あいプラネット」代表の野田祥代さんは、一呼吸して「心だけ宇宙に緊急避難」することをすすめています。今回は、野田さんの著書『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』から一部を抜粋してお届けします。
空から岩が落ちてくる ―宇宙をただよう巨大岩―
「ムーミン」は、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが描いた架空の生き物です。
ムーミンシリーズの小説や絵本には、主人公のムーミントロールや、小説家のパパ、穏やかなママ、旅好きのスナフキンや、おだんご頭のリトルミイなど、たくさんの仲間が登場します。
私が子どもの頃、ムーミンのテレビアニメが放送されていました。
2つ年下の弟とよく肩を並べて見たものですが、のんびりしたテンポのお話が多い中で『ムーミン谷の彗星』は少し異色のお話でした。
宇宙から巨大な彗星がやってきて、ムーミン谷が大騒ぎになるというストーリーです(※1)。大きく赤く描かれた彗星がなんとも不気味で、怖かったのを覚えています。
本当にこんなのがやってきたらどうしよう、でもこれはお話だし、そんなこと起きない、大丈夫、たぶん、でも、もし……。
と、子どもながらに本気で心配したのです。