間違いなく言えるのはひとつだけ。
どんなタイミングであろうと、私は西田有志と結婚して本当によかった。それぐらい、楽しい生活を過ごしている。
バレーボールに限らず、アスリート同士で結婚する人たちもいるけれど、一方がアスリートで、もう一方がアスリートではない場合。さらにアスリート同士であろうと、日本では「女性が支えるもの」という意識が強いのではないだろうか。
実際に食事の面や生活面でサポートすべく、いろいろな資格を取って、プロのような食事をSNSに載せる人もいるし、見るたび、すごいな、私には絶対にできないな、と思う。むしろ「支える」「助ける」という面で言えば、夫を支えるよりも私のほうが圧倒的に支えられて、助けられてきた自覚がある。
日本代表合宿の拠点は、東京にある味の素ナショナルトレーニングセンター。練習場所の体育館がある棟や宿泊棟の近くは桜がきれいで、近所の人からすれば桜の名所。春が待ち遠しい場所だが、私は桜を見るだけで「あの合宿が始まる」と苦しい記憶がフラッシュバックする。その何とも言えない感情、人に話しても簡単には伝わらないような、桜を見るたび蘇る苦しい思い出も、夫とは共有することができる。それだけで私はずいぶんと救われてきた。
