皮肉なことですが、人生に完璧を求めれば求めるほど、幸せは遠ざかるもの。もしかしたら、「完璧でなければ」と思う心に、周囲の評価を期待する気持ちが隠れているからかもしれません。

人から褒められたくて「完璧」を目指しても、消耗するだけ。批判や悪口に敏感になってしまいますしね。ちなみに悪口を言う人は、暇つぶしに適当なことを口にしている場合がほとんど。真に受けて傷つくなんて損ですよ。

患者さんの中には、「私さえ我慢すればいい」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。そんな方にお尋ねしたいのは、「その我慢は必要ですか」ということ。きついことを言うようですが、我慢は独りよがりであることがほとんどです。それと、我慢しがちな人は本当の気持ちを口にしない傾向もあります。

「相手がわかってくれない」などと不満をもち続けるぐらいなら、本音を伝えてみませんか。感情的にならず、「私はこうしてほしい」と自分の望みを冷静かつ率直に伝えるのです。そうしてあなたが我慢を手放せば、風通しがよくなって周囲の人々も気が楽になることは多いものですよ。

我慢しないことも、本当の気持ちを言葉で伝えることも、自分が自分の心のためにしてあげられる基本的なケア。自分を大事にするための第一歩です。少しずつ、「ほどよきところ」を探して、ご自身のいのちの時間を慈しんでください。私もそうしたいと思います。

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