生きるチャンスがあるとしたら、歩くこと
するとAさんが「食べられないから歩けない」と嘆くので、動画を見せました。その方はほとんど食べられず、栄養ドリンクを1日500cc飲むくらいの25キロの女性です。ほんとうに骨と皮だけのような身体ですが、自分の足で歩いています。
「こんなに細くても歩けるんだよ。この人たち食べられないんだよ。でも歩ける。生きたいなら、もう少し歩けばいい。あなたはがんで死んじゃうんじゃなく、抗がん剤の影響で死にそうなの。
このまま歩けないと弱って死んじゃうけど、もう少し歩いて粘っていれば抗がん剤が抜けてきて、食べられるようになるかもしれない。生きたいなら、歩くしかないよ。生きるチャンスがあるとしたら、歩くことだよ」
僕はAさんにこう話しました。がん患者は、「抗がん剤が打てないと死ぬ」と思い込んでいる人が多い。
でも僕に言わせれば、抗がん剤をやめても死なないし、むしろ使わないほうが長く生きる例が多いのです。
僕の言葉を受けて、「がんばれるか、がんばれないか」が分かれ道です。そして、Aさんはこう言いました。
「じゃあ私、がんばる」