「過去はどうすることも出来ない」と気づくことの重要性

だからまず大事なのは、自分が子どもの頃に愛されていないと感じていた悲しみを、今も引きずっていると気づく事です。もともと自覚がある人もいれば、心理テストで初めて気づく人もいます。どちらにしても、過去はもうどうする事も出来ないと整理出来れば、今現在注がれている愛情に目を向ける事も出来るはずです。

実際、相談に来た当初は「夫は私の気持ちを全く分かってくれない」と言っていた妻が、カウンセリングを経て「夫と結婚できた事が私の一番の幸せです」と言うまでに至った例もあります。他にも、子ども時代の愛情不足による怒りを夫に向けていた事に気づき、夫がどれだけ家事や育児を頑張ってくれているか分かるようになったケースも。カウンセリングに来た当初は、夫の作ってくれる料理に文句を言っていた妻が、です。

自分が何を求めているのか。そして相手からの愛情をちゃんと感じることが出来ているか。それに気づくのは案外難しいことなのです

※本稿は、『夫婦はなぜ壊れるのか カウンセリングの現場で見た絶望と変化』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
夫ではなく、あくまで<妻>が悩みカウンセリングに来る夫婦が多いワケ。家族問題カウンセラー「夫婦問題は2人で話して解決すべきと考える男性は多い。しかし…」
妊娠した私だけが「母」になり。「父」にならない夫への不信感からカウンセリングを受けてみたら…。夫婦が信頼関係を取り戻す方法
夫の存在が疎ましい、言動にいちいち腹が立つ…原因は更年期かも? 自分が自分でなくなる時期に大きな決断をしてはいけない

夫婦はなぜ壊れるのか カウンセリングの現場で見た絶望と変化』(著:山脇由貴子/幻冬舎)

夫も妻も、なぜ、みすみす関係を悪化させるような言動をとってしまうのか。

実はそこには夫婦それぞれが育ってきた家庭環境が影響している。

関心を示されなかった、監視が厳しかった、自分だけ愛されなかった……幼少期の満たされなさを、今のパートナーで補おうとするのだ。