ありがとう。義姉さん

その実感を噛みしめるように続ける歌麿。

「鬼の子も、この世の仲間入りしていいんですよって……言われてるみたいでさ」

(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

そう言って、歌麿はていに向き直ります。すると

「声かけてくれて、ありがとう。義姉さん」

と伝えた歌麿。さらに

「義兄さんにもそう言っといてよ」

と去り際に伝えると、そのまま店を出て行きます。

静まり返った耕書堂。誰もいなくなった店内で、ていは歌麿が去った方角に向かって深々と頭を下げるのでした。