論文中のサラダに添えられていたもの

さて、ここで改めて『糖尿病』に掲載された論文に注目していきます。「野菜サラダ」という表記にはもう一つ重要な意味があります。

論文中のサラダには、オリーブオイルと酢を使ったドレッシングが添えられていました。オリーブオイルには脂質、酢には酢酸が含まれています。つまり、1食の中でそろえると食後血糖値の急上昇を抑えられる黄金トリオ(タンパク質・脂質・酸)のうち、2つを同時にとっていたことになります。

つまり、血糖値の上昇を抑えたのは野菜だけではなく、ドレッシングの作用が大きかった可能性が高いのです。

その後、私たちは、ドレッシングの種類によって血糖値にどのような違いがあるのか、検証された論文を見つけました。

白ご飯100g(おにぎり)と、キャベツとレタスを使ったサラダ100gに、ドレッシング15gを加えて比較したところ、興味深い結果が出ていました。

健康志向の人がよく選ぶノンオイルの青じそドレッシングを使った場合、血糖値の抑制効果は10/dLにとどまりました。

これに対して、ゴマドレでは20mg/dL、マヨネーズでは30mg/dLも血糖値の上昇が抑えられました(下図参照)。

<『最新科学でわかった 老けない食べ方の新常識: 糖化博士が教える若返り46のコツ』より>