『べらぼう』の語源

語源と思われるものにもいくつか説があります。

本郷先生のロングセラー!『「失敗」の日本史』(中公新書ラクレ)

4代将軍徳川家綱の寛文年間(1661~1673年)、見世物小屋(1657年の明暦の大火後の話なので、最先端の盛り場だった両国とか本所でしょうか)に大評判をとった芸人がいました。彼は滑稽な様子で人を笑わせる達人だった。

現代のトップ・コメディアン、さんまさんとかたけしさんのような人ですね。

頭を丸めていた彼の名が「便乱坊」(べんらんぼう)もしくは「可坊」(べくのぼう)だったことから、「べらぼう」という言葉が使われるようになりました。

もう一つの説は、 穀物を潰す「箆棒」=へらぼうであるといいます。

「穀物を潰す=穀潰し」とは、働ける状態にあるにもかかわらず働かない、遊び暮らして食べることだけは一人前という者を罵る言葉です。

あまり良くない言葉ですが、現在でも使用されます。「本郷は史料編纂所の穀潰しである」とかですね。

後者が正しいとすれば、「べらぼう」は「とんでもなく悪い」が本来の意味であった、ということになります。それが現代の「やばい」とか「はんぱない」と同じで、「とんでもなく良い」ときにも使われるようになった、ということですね。

さて、どちらが正しいのか。