厚生労働省によると、2025年9月1日時点の住民基本台帳に基づいた100歳以上の高齢者の数は9万9763人で、55年連続増加しているそうです。そのようななか、生命科学とオートファジーの権威である大阪大学名誉教授・吉森保先生は「21世紀に入り、生命科学研究の最前線では『老い』に対する考え方は大きく変わっている」と語ります。そこで今回、その著書『私たちは意外に近いうちに老いなくなる』から一部を抜粋。吉森先生が再生医療及びiPS細胞研究の第一人者である慶應義塾大学・岡野栄之教授に取材して判明した<老化研究の最前線>をお伝えします。
100歳以上生きる人とそうでない人の違いを調べている機関がある
2023年版のWHO(世界保健機関)の発表によると、日本人の平均寿命は84.3歳で世界第1位でした。もちろん、これはあくまでも平均で、かなり長く生きられる方もいます。
老化研究で注目すべきは、100歳以上の方々です。彼らを「百寿者」と呼んでいます。100歳以上の方々は、現在9万人を超え、将来的に70万人台にまで増えるとも予測されています。
「いくら高齢化が進んでも、そんなには増えないのでは……」と思われるかもしれません。しかし、1963年には100歳以上は153人しかいませんでした。これを考えると決して大胆な予測ではないかもしれません。2007年生まれの日本人の半数は107歳まで生きるという試算もあります。
百寿者は、なぜ長く生きられるのでしょうか?
百寿者と、そうでない人の違いは何なのでしょうか?
100歳以上の人口が増えているのなら、誰もが長生きは可能なのでしょうか?
それとも寿命は生まれながらにして決まっているものなのでしょうか?
誰もが関心を抱くこの謎にせまる老化研究を、ここでは紹介したいと思います。