日々の暮らしでがんを防ぐ

日々の暮らしにおいては、図表1-3に示したような一人ひとりの努力が推奨される。

まず、禁煙し、過度の飲酒を避けることは最も有効な予防法である。飲酒に関しては、2024年、厚生労働省は「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を発表し、1日摂取量を純アルコール量で男性40グラム、女性20グラム以下にするよう推奨している(厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」2024 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001211974.pdf)。

『高齢者とがん-健康管理、診断・治療から心と暮らしのケアまで』(著:山口建/中央公論新社)

純アルコール量は、摂取量(mL)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)で計算される。たとえば500mLの缶ビール(アルコール濃度5%)なら、純アルコール量は20グラムである。

食生活では、「塩分・脂肪控えめの日本食を腹八分目」をイメージするとよい。伝統的な日本食は、塩分を控えめにし、脂肪を取りすぎなければ、がんのみならず、心臓疾患や脳血管疾患の大変優れた予防食となる。

ゲノムやがん関連遺伝子の病的変化を積極的に防ぐ食品も存在する。よく知られているのは抗酸化物質を含むトマトやにんじんなどの緑黄色野菜で、その成分である緑や赤、黄色などの色素には、ゲノムを保護する作用がある。キャベツや大根などの白色野菜にもがん抑制につながる作用があるので、野菜や果物を積極的に摂取する。

野菜・果物摂取量の1日の目安は野菜350グラム、果物200グラムとされている。盛り合わせの野菜、汁物に含まれる野菜、様々な果物類などを、1日におおよそ握りこぶし7つ分、食すれば十分量を摂取することができる。