三大成人病の予防
がんと心臓疾患と脳血管疾患をまとめて三大成人病と呼ぶが、これらを合わせると日本人の死因の約半数を占める。ここで述べたがんを予防する生活習慣改善の取り組みに、心臓疾患や脳血管疾患の予防につながる「ストレスを避けること」を加えると、図表1-3は、がん、心臓疾患、脳血管疾患のすべてをカバーする予防法になる。長い人生で、三大成人病をまとめて予防する試みは実践する価値がある。
心臓疾患や脳血管疾患の多くの原因は動脈硬化であり、その悪化要因である高血圧、糖尿病、肥満、そして血液中のコレステロールや中性脂肪が増加する脂質異常症などを患っている患者では、生活習慣の改善とともに動脈硬化の悪化を防ぐ服薬治療が広く行われている。
がん、心臓疾患、脳血管疾患という三大成人病の予防策は、感染症予防の強力なワクチンとは異なり、病気をほぼ完全に予防できるレベルには達していない。しかし、これまで述べた方策によって、発症を予防したり、発症を遅らせたりすることが期待できる。
※本稿は、『高齢者とがん-健康管理、診断・治療から心と暮らしのケアまで』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『高齢者とがん-健康管理、診断・治療から心と暮らしのケアまで』(著:山口建/中央公論新社)
本書は、がん発生のメカニズムから健康管理、正しい診断と最善の治療、退院後の注意点まで、最新の医学を解説。
また、高齢がん患者と家族の心のケアのために何ができるか、がんと向き合うための心構えをどう持つか、1万人以上の患者・家族の証言をもとに説く。




