認知機能検査の仕組み
75歳以上に義務付けられている認知機能検査は、この「記銘力」を中心にチェックする内容になっていて、まだ十分に運転できる人からも免許を取り上げる可能性のある仕組みになっています。
たとえるなら昨日作った料理のメニューを思い出せないという理由で、「もう包丁を持つのは危ない」と言われ、調理師免許を取り上げられるようなものですから、人権無視も甚だしいのみならず、事故を減らすことには何の効果も期待できない検査であると私は思います。
もちろん個人差はありますが、こういう状態が数年ほど続いたあとに見られるようになるのが、「見当識」の低下という症状です。
見当識というのは、時間や場所、周りにどんな人がいるかなど、自分が今どんな状況にあるかを認識する力のことで、これが低下すると、「今自分がどこにいるのか」「今が昼なのか夜なのか」といったことがわからなくなっていきます。
なお、「見当識」が低下した段階でも、迷子になったり、家に帰ってこられなくなる人は確かにいますが、これは無目的にふらふらと歩き回る徘徊とは別ものだと私は考えています。
※本稿は、『「高齢者ぎらい」という病』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
『「高齢者ぎらい」という病』(著:和田秀樹/扶桑社)
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