多くの人が「当然のこと」として受け止めている
さらに問題なのは、こうした差別を多くの人が「当然のこと」として受け止めている点です。年齢による不利益を被っている当事者ですら、「仕方ない」と諦めてしまうケースが少なくありません。つまり、自分たちの権利が軽んじられることにすっかり慣れてしまっているのです。
高齢者差別というのは、権利を奪うことにも、奪われることにも鈍感な日本の社会のありようを象徴する鏡です。
この社会的な「鈍感さ」が続く限り、奪われるのは高齢者の権利だけではありません。誰もが、いつでも、その対象になり得るのです。
※本稿は、『「高齢者ぎらい」という病』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
ベストセラー精神科医が怒りと希望の緊急提言!
高齢者は邪魔な存在か? いや、高齢者は日本の希望!
差別をやめ、高齢者をもっと大切にすべき理由、教えます
出典=『「高齢者ぎらい」という病』(著:和田秀樹/扶桑社)
和田秀樹
精神科医
1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。幸齢党党首。高齢者専門の精神科医として、35年以上にわたり高齢者医療の現場に携わっている。主な著書に『年代別 医学的に正しい生き方』(講談社)、『六十代と七十代 心と体の整え方』(バジリコ)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『80歳の壁』『70歳の正解』『コレステロールは下げるな』『「せん妄」を知らない医者たち』(いずれも幻冬舎新書)、『心が老いない生き方 - 年齢呪縛をふりほどけ! -』(ワニブックスPLUS新書)、『65歳、いまが楽園』(扶桑社新書)、『なぜあの人はいつも上機嫌なのか』(扶桑社文庫)、『人は「感情」から老化する 脳の若さを保つ習慣術』(祥伝社黄金文庫)など著書多数。