日常生活のなかで「ありがとう」を
普段の僕ですか? 忙しいなかでも、近所にあるバーでレコードを聴きながらお酒を飲む時間は大事にしています。最近はお酒もだいぶ弱くなりましたし、失敗談もありますけど、隠れてでも飲みたい。(笑)
家族は、妻とこの春に高校生になる娘がいますが、妻は20年以上ともにいますので、仕事のない時もずっと支えてくれて感謝しかありません。僕ら男性はみんな妻への感謝の気持ちはあるんだけど、それをうまく伝えられないだけで。「だったら、うまく伝えなさいよ!」って話になるんですけどもね(笑)。
たとえば、僕が妻を「最高のパートナーです」とか言っちゃうと、じゃ、妻にとっても俺は最高のパートナーと言えるのか。でもそれははなはだ疑問なんですよね。ゴミ出しとか、犬の散歩とかやっているのか。俺と一緒にいる時、彼女は笑顔でいるのか、幸せでいるのか──って、一つ一つあげていくと、決してそうではないなと思うわけで。
だからこそ最低限、日常生活のなかで「ありがとう」と言うようにしています。「あれ取ってもらえる? ありがとう」「ごめん、これから帰るんだけど、お風呂沸かしといてくれる? ありがとう」って。何よりも家に帰った時に妻がいてくれるのは本当にありがたいです。
俳優としては、体が資本なのでジムに通い始めましたが、今年になってからまったく行かなくなっちゃいました(笑)。自分の理想とする自分には、なかなかなりきれてないですね。
だからせめて、こんなふうでありたい。後輩が何かやらかして誰かに怒られちゃった時に、「バカだなあ、おまえ」と僕が言っても、その“バカ”という言葉を愛情だと受け取ってもらえるような……。そんなニュアンスを出せる人間になりたいです。(笑)