運動療法に熱中するあまり……

脳と筋肉を繋ぐ感覚神経(迷走神経)の衰えが認知機能低下に関係しているそうで、この神経に働きかけて改善を図るのが、朝田先生が推奨する「本山(もとやま)式筋トレ」です。

立ち姿勢、座り姿勢それぞれにメニューはいくつもあり、太腿やお腹の筋肉に強めの負荷をかけて、痛みが脳に伝わることを意識しながら行います。僕はいつも「脳に繋がれ」と心の中でつぶやいている。

一人より誰かと一緒のほうが頑張れる気がして、クリニックが主催する体操プログラムのクラスに参加しています。何パターンもの筋トレを片足から始め、全身のトレーニングを2時間かけてゆっくり行うので、かなりの運動量。週5回行ったら、「山本さん、来過ぎです」と叱られました。(笑)

ウォーキングも効果的といわれています。80歳手前までは役者の訓練として毎日1万歩近く歩いていたものの、80歳以降は、がんを患ったことやコロナ禍も重なって7000歩、5000歩と減っていき……。85歳で、「軽度認知障害」と診断されてからは、再び意識的に歩くようになりました。

認知機能の維持には「はや歩き」と「ゆっくり歩き」を3分ごとに交互に行う「インターバル速歩」が効果的だそうですが、僕は、はや歩きだけしています。

ただ最近は、鎖骨周辺に強い痛みが頻発し、歩けていません。突然、胸に痛みが走ったときは、てっきり骨折かと思ったほど。循環器科、心臓外科、脳外科まで回されたけれど異常なし。最終的に肋間神経痛とわかり、現在、漢方薬で少しずつ改善しています。

肋間神経痛がこれほど痛いなんて初めて知りました。年をとると、本当にいろいろなことが起こるものですね。

後編につづく

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